ギフテッドの問題①ーやる気がなくなる

ギフテッド

ギフテッドはさまざまなことに興味を持ち、
学ぶことに熱心で、夢中になる・・・

ところが、じっさいの能力よりも、
ずっと低い成績、点を取ってくることがあります。

このような、ギフテッドの「やる気」
(アンダーアチーバー:実際の能力より低い成績になる)
の問題について解説します。

そして、どのように「やる気」取りもどすか、お伝えします(*^^*)

ギフテッド英才型のムスメちゃんに起きたこと

小学校4年生後半ごろ、不調になってきました。

テストでずっと満点近くとっていたのに、

急に60点、70点ばかり取る。

「勉強なんか、めんどくさいし!、やりたくないし!」
(゚Д゚)ノぽーいと放り出す。

なんだか、やさぐれだす
家でも荒れて大変になってくる。


2年たって・・・小6でムスメちゃんが教えてくれました。

「周りの子は、いい点取ってない。
自分だけ変だな、と思った」

「みんなに合わせようと思った」

「グループの話し合いで、
みんなは、難しいことを考えていない」

「そんな難しいこと考えているの?」
「なんかすごいね、と言われてしまう」

「同じ意見しか言わないようにしてる」

本人が周囲との差、自分だけ浮いていることに気が付いて、

その能力をかくし、
まわりに合わせようとしていた
のです。

こういうことは、ギフテッド傾向の女の子に
わりと見られるらしいです。

女子は周りの子の反応に敏感です。

グループの中でうまく過ごすことが求められます。

自分だけとびぬけて良い点だったり、難しいことを考えていると、
浮いてしまう。

そして、女の子が頭が良いことが、よく思われない・・・
という社会の雰囲気もあるのかもしれません(-_-;)

男の子より頭がよいと、
あんまりモテない・・・とか。

私たちは、
気がつかないうちに、そういった社会の見えない圧力を感じとって、
気がつかないうちに、それに合った自分になろうとしている、、、のだと思います。

とくに、女性はそういったことを敏感に読んでしまう人が
多いかもしれませんね!

「自分らしくで、いいんだ!!」と言い聞かせていないと、

つい、周りの期待するような妻、お母さん・・・にならなくては、と行動している。

けっこう、しんどいですね💦

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男子は、頭が良いことを自慢できるし、
一目置かれる場合もあります。

弟のタロウちゃんの反応は、真逆。
たいした成績じゃないのに・・・

「俺って、すごい」
「俺って頭いいからさ!」

自画自賛!(^^)!

あのー、そこまで出来てないんですけど~💦です。

男子小学生のほうが、
「集団から浮くこと」の悩みは、
少なそうです(タロウちゃんの場合かな💦)。

男子グループは、そこまで一緒であることを求めない、気にしないのかもしれません。

わいわい、その場で一緒に行動すれば、
<なんか友達!!(*^^*)>という感じでした(笑)。

ギフテッドの「やる気」の問題(アンダーアチーバー)

知りたい気持ちが強く、熱心で、夢中になる・・・

そんなギフテッドの子どもが「やる気」を失う理由は、いろいろあります。

皆と同じペースで、同じ学習内容で、
それ以上のことを言う、やろうとすると、
「今はそれは習いません」「それ以上はダメです」と言われ続けて、

学校が一気に面白くなくなります

我が家の子どもも、

「学校に行く意味がわからない」

「くだらない活動が多すぎて、時間がもったいない」
⇒授業以外の集会や、話し合い・・・などを言うことが多いかな💦

ギフテッドの子どもから、やる気を奪う、
その正体は何か???を解説します(*^^*)

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まわりに合わせている

子どもにとって、年齢があがると、
「周囲から浮かないこと」
が優先されやすくなります。

とくに、集団生活を送っていると・・・ね。

いろいろなことを敏感に感じとる子は、
自分と周りが違っていることに気がつき、
合わせようとします。

頭が良いことが、得にならないことがあります。
たとえば、頭がよい女の子は、モテない。
頭が良いと、「オタク」「がり勉」と言われたり💦

興味がもてない

学校の学習に興味が持てない
(ほかのことに興味がある)

よい成績を取ることに、あまり興味がない、
そのため、テスト勉強をしない・・・
我が家のタロウちゃんです💦

自己主張している

優秀なのに、よい成績を取らないことで、
自己主張している場合があります。

先生や親の期待を裏切る・・・
親や先生にコントロールされたくない・・・
親や先生への不満や怒りを表現している・・・

プレッシャーを感じている

1番になる、よい成績をおさめると、
次も「よい成績をとらなくては!」
とプレッシャーを感じます。

周囲の期待を感じて(それほど期待されなくても💦)、
「こうあらねば!」と高い基準をもとめてしまいます。

そのプレッシャーから逃れたくて、
無意識に、よい成績をとらなくなる場合があります。


ムスメちゃんは、学年1位などよい成績をおさめると、
プレッシャーを感じています。
「次のプレッシャーすごいわあ(T_T)」と。

次は(わざと?)やる気がなくなり、低い成績をとることが多いです。

ごほうび・罰が「やる気」に影響している

「やる気」は、
本人自身が「こうしたい」と思うとき、
最も高くなります

「内発的動機づけ」といいます。

「〇点とったら、△を買ってあげる」
「よい成績をとらないと、ゲーム禁止」

など、ごほうびや、罰が与えられると、
目的がすり替わってしまう。
「外発的動機づけ」といいます。

ごほうびが欲しいから、よい成績をとる
罰が嫌だから、よい成績をとる

これが、本人の「やる気」に影響して、
本来の力を出せなくなることがあります。

先の見通しが持ちにくい

目の前のことに集中するあまり、
先々のことを考えることが難しい場合があります。

今、ここの、自分の感情が優先されて、

ちょっと先のこと、将来ののため、
「今こうしておくとよい」
という考えが難しい。

学習習慣がない

なにごとも平均以上にできるギフテッドの子は、
学習する習慣がない子が多いです。

小学校の学習は、学校の授業だけで十分で、
家での学習を必要としません。

学年があがり、学習が難しくなると、
成績が伸びない・・・場合があります。

「こつこつ努力する経験」が不足している子がいます。

がまん強く取り組むことが苦手

ギフテッド傾向の子どもは、
同時にADHDや、ASDの特徴を持つことがあります。
(ギフテッドにともなうもの)

そのために、「がまん強く取り組むことが苦手」な場合があります。

・注意や集中力を保つことが難しい、

・他のことに興味を持ち、熱中してしまう、

・基本的にこつこつ努力すること、がまんすること自体が苦手

・自分基準で考えるため、興味がないと取り組まない

家庭の問題や、最近のできごとが影響している

家庭内で、けんかや口論がよく起きている、
両親が不仲など、落ち着かない雰囲気があると、
子どもは集中できなくなります。


離婚
家族が亡くなる(ペットを含む)
そのようなイベントがあると、
一時的に調子が出なくなることがあります。

また家庭内で子どもの学習に対する要求が高すぎる場合、
プレッシャーになります。

ギフテッドの「やる気」を取りもどす

ギフテッドのやる気を取りもどすには、

その子が「何に興味を持っているか」がカギになります!

今、何に興味をもって、熱中しているのか
または、以前に興味をもって、熱中していたことは何か
ふり返ってみましょう。

子どもが興味がある分野や、ものごとがあれば、
それをまず大事にして、
そこから広げていくようにします

「興味があることを広げて、方向づける」

たとえば、
今、ムスメちゃんは、
ピアノを弾く、ギターを弾く、歌を歌う
音楽を作ることに熱中しています。
勉強にあまり関心がありません・・・(^^;)

高校は、「軽音楽部」がある高校に行きたい、
軽音楽部の活動がさかんで、名門となると・・・

県内トップの進学校になります。

そこで、音楽が好きな、才能のある人と、
バンドを組んでみたい!が目標になっています(*^^*)

子どもの「やる気」以外の問題

子どもが自分の力を発揮できていないとき、
本人の「やる気」以外の問題がないか、確認しましょう。

親とこどもの価値観の違い

親から見ると、勉強面で、本人の力を発揮できていない・・・

本人は、他のことを大事にしている場合があります。

勉強以外に、もっと大事にしていることがあり、
勉強は「この程度」でよい、と感じている。


たとえば、プログラミングのクラブ活動で、
すばらしい作品を作ることが何より大事。
・・・タロウちゃんです💦

学校の成績は、そこそこで十分!と思っている。

このような場合は、「やる気がなくなっている」状態ではないです。

「本人のやりたいこと」と
「親が期待すること」がずれているだけです・・・(^^;)


この場合も、
「興味を広げて、方向づける」
ことで、学習に取り組む意味が出てきます。

たとえば、
プログラミング言語は、英語が基本。
プログラミングを通じて、
世界の人と関わりたい!
やっぱり英語も大事だよね!(*^^*)

頭ごなしに言わない

ギフテッドの子どもは、
人から「やりなさい!」と言われることを嫌います。
がんこな傾向もあります。

子どもに頭ごなしに「勉強をしなさい!」と言っても、
ほとんど効果がないです・・・(-_-;)

まずは、

親子でけんかしないことが、何より大事です。

おだやかで、応援されている雰囲気を作りましょう。

そのような中で意欲が回復します。

本人の興味を持っていることは何かを理解しましょう。
そして、そこに結び付けて目標を考えていきます。

すこしだけ高い目標を

意欲を失っているギフテッドに対して、
目標や期待値を下げがちです。

親は、本人が思っているより、
ちょっとだけ高い期待をもって、
本人の興味にそった活動をさせましょう。

「やりがい」を感じること、
「自信」を持つこと、が大事です。

まとめ

ギフテッドの子どもは、いつも何かに対して、「意欲」を持っています。

意欲は、安心感のある親子関係を基本に、維持・回復できます。
適切な目標をもつ、
興味のあることと結びつける、などの方法が有効です。

子どもの強い興味や関心は、
さまざまな方向に結び付けられ、ひろがります。
すばらしい世界への足がかりになると思います(*^^*)!!

長文読んでくださり、ありがとうございます。

ここはな。

プロフィール
カウンセラー、ブロガー
cocohana

子どもに関わるカウンセラー歴20年です。
臨床心理士、公認心理士。
ギフテッドであり、発達障害傾向の子ども2人を育てています。
子どもがのびのび成長し、自分の力を発揮できるよう応援したいです。

心理学と、医学部の大学院を出ています。

国立大学 臨床心理系大学院 修士課程修了
国立大学 医学部医学科大学院 博士課程満期退学

研究者には向いておらず、
カウンセラーになりました。

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