思春期になると、ADHDやASD傾向がある子は、親に当たる、責め立てる、怒鳴るといった問題が起きやすいです。
とくに受験などのストレスが加わると、激しくなります。毎朝の支度のトラブルや、感情の爆発にどのように向き合えばよいのか、子どものカウンセラーが実際の体験から、現実的な「自立を促す対応」を紹介します。
娘はADHD、ASD、ギフテッドの傾向があります。
朝の支度・・・わが家の場合
休日の朝早く、模試があるというムスメちゃんのために、
夫婦とも早起きして、朝食、お弁当のおにぎりを作っていました。
起きてきたムスメは、親を見るなり怒鳴る。
「服がない!」
「この服とめるボタンがない!はやくつけてよ!」
「スリッパどこ?!」
「水筒どこ?!」
「食べてく時間がないじゃん!!」
30分の間に何度も怒鳴られて、、、
「親が早起きして協力しているのに、その態度はない!
自分一人で支度して、出ていくようにしなさい!」
と言いました。
「皆の親はそんなこと言わない!」「うちの親だけおかしい!」とムスメちゃん。
「当たり前のことでしょ!皆は支度がうまくいかないからって、親に当たらないんだよ!」と言ったら、
めずらしく、ぽろぽろ涙をこぼしていました。
<こんな親で、自分って可哀そう・・・>の涙。
涙で、罪悪感を感じたり、かわいそう・・・と思わないです(笑)。
「自分が悪いんでしょ!泣くくらいなら、自分で支度しなさい」と言います。
基本的に涙はなくて、怒鳴り散らして出ていくパターンが、毎朝起きます(-.-)
こちらも、まただ!と、イライラするし、支援はしているのに、責められて、本当に嫌な気持ちです!!

思春期の怒鳴りの背景
発達特性
親に怒鳴りちらす、当たり散らす背景に、発達障害の問題が絡んでいる可能性があります。
①朝の切り替えが難しく、外に出るまでにエネルギーがいる
②服や持ち物など、思うようにいかないことが連続して起こる
③うまくいかないことを「誰かのせいにして発散する」
④親が助けてくれるとわかっているので、攻撃の矛先が「親」になる
これらは、ADHDやASD傾向がある子によくみられる流れです。
感情のコントロール未熟さ
知的には高くても、ストレスがかかると、情緒が幼い反応になる。
情緒的な発達が遅れていて、感情のコントロールが難しい・・・場合もあると思います。
ムスメちゃんは、うまくいかないことがあると、<パニックになって、親にぶつけてしまうパターン>が小さいころから出来上がっています。
また、思春期の親への甘えと反発の同居。
正直、まったく自立できていないのに、反発だけするのはやめていただきたい・・・(^^;)。
そのため、感情のコントロールが難しくなります。
責任の意識が低い
自分が「うまくできないこと」が受け入れられない可能性があります!
完璧主義で、ちょっとも注意されたくない!非難されたくない!タイプ。
だから、親のせいにしている。
小さいころ、困った場面で親がなんとかしてくれた!体験がある。
だから、自分で責任をとらずに、
親になんとかしてよ!なんとかしなさいよ!<(`^´)>になる。

親の対応:言ってはいけない言葉、言うべき言葉
子どもの怒鳴りに対して、感情的に反応して言い合いになることは、避けたいです。
お互いに疲れてしまうし、関係性も悪化します💦💦
(でも私はけっこう、怒鳴り合いをやってしまいます・・・親だって人間ですから!)
親のせいにして怒鳴りだしたら「無視する」「これ以上、手伝わない」とを引くことが大事だと思います。
親は、「限界」や「境界線」をしっかりひくように意識しましょう。
「怒鳴る、当たり散らしたら、手伝わないよ」と、予告しておくのもよい方法です。
大事なのは、少しずつ現実に直面させていくことです。
一人では支度ができず、間に合わない ⇒ 遅刻する、出来ない経験
そうならないと、行動を修正しません。
親が悪いことにして、自分のできなさを認めない状態なのです。
中学生は、怒鳴り散らして、親のせいにする年齢ではないです。
<行動の結果は、自分の責任>と知る時期です。
そのままでは社会で通用しないよ、と伝える時期だと思います。
お互いが落ち着いているときに、話をしましょう。
冷静に話ができないなら、LINEでもよいです。
以下、実際にムスメちゃんに送った内容を引用します(*^^*)。
朝の支度がうまくいかない時、受験のストレスがあるからといって、親に怒鳴る、当たり散らしてよい理由にはならないよ。
自分のできなさを親のせいにして、「なんとかしてよ!」と怒鳴り散らして、この先やっていくわけにいかないんです。
もう中3。自分でどうしたらうまくいくか考えて、やっていかないといけないよ。さすがに。
18歳をすぎて、私たちが面倒をみないほうがいいと思っています。それが親のやれる限界です。
このまま家にいるのは、ムスメちゃんのためにならないと確信しています。
これから、怒鳴り散らしたら、そこで協力はしません。頼まれたことはやる形です。
休日の朝、親が早起きして、朝ごはん、お弁当の支度をしているのに、怒鳴り散らすのは、ないです。
それは、おかしいことだからね。
これに対して、昼過ぎごろ、
「うん。」と返事がありました。
私は、「今日も一日ご安全に!!」とLINEを返しました(笑)。
時間がたつと、冷静に<よくなかったな・・・>と思えるけど、
また朝になると同じことをやってしまうんですね💦💦
自立を促すために親ができること
わが家はタイムリミットを設定しています。
面倒をみるのは、18歳まで。そこで自立してもらう。
うまくいかないことがあっても、自分でなんとかやっていってもらうしかない。
自立できるよう育ててきたつもり。本人にも、その力があると思うから。
あとは、寮(週末に帰宅する)、短期留学などで、少し親と離れる時間を持つと、
大きく変わってくる可能性がありますね!
親がいないところで、一人でやっていく経験が大事だと思います。
そこで、さまざまな痛みを知って、大人になっていくのだと思います。

まとめ
親に怒鳴る子、当たり散らす子を無理に変えようとせず、
現実に触れさせていくことが大事だと思います。
怒鳴る・当たり散らすようなら、そこで協力しない、手伝わない、その場を離れる。
そして、うまくいかないことの責任を本人に返していく。
(自分の問題を親のせいにして、責任をとらないでいるのです!)
また受験期でストレスがあると、よけいに親に当たり散らす行為が目立つかもしれません。
こまかいところは目をつむり、受け流しつつ・・・
<ストレスがあるからといって、親に当たってよい理由にはならない>と伝えましょう。
あまりにひどくて、手に負えないときは、
スクールカウンセラー、子どもの心理発達の医療や相談機関に相談されるとよいです。
親は、巻き込まれて、ひどく疲れてしまいますから・・・。
本当に、子育ていろいろありますね!
ここはな。


