ギフテッド傾向のある子どもを育てることは、簡単ではありません。
<能力が高い子なんだから育てやすいんじゃないの?><困りごとなんてないでしょ?>
と誤解されやすいです。
実はギフテッドの子育ては、発達障害がある子ども、普通の子どもの子育てにも、役立ちます。
ギフテッドを育てる大変さの背景について書いていきます。
ギフテッドの特徴で大変
ギフテッドの特徴である①能力の凸凹、②発達の仕方が独特、非同期発達、③激しさ(過度激動)などのために、子育てが大変です。
●能力の凸凹がある
ギフテッド傾向のある子どもは、全般的に能力が高いとは限りません。
ある1つの分野か2つの分野だけ高い子も含まれます。
そのように能力に凸凹があると、難しさが起きてきます。
例)理解力・想像力は高いのに、手先が不器用でうまくできない。
→激しい癇癪や、落ち込みにつながる
●発達の仕方が独特
人よりずっと早く発達する部分がある一方で、
人よりずっとゆっくり発達する部分がある場合があります。
このような発達が早い部分と遅い部分があることを非同期発達といいます。
①知的には実年齢より何歳も上だけど、情緒的(気持ち面)では年齢相応という傾向がある。
例)何学年も上の数学の難しい問題は解けるのに、
夜は一人で眠れない、お気に入りの毛布をいつも持っている
②その子の能力間で、発達のスピードに差がある場合があります。
(知的能力が高いほど、能力間の開きが大きくなると言われています)
例)パソコンを使ってゲームをプログラミングできるのに、漢字が書けない
発達のスピードが能力ごとに違うことが、大きなストレスを生みます。
中には、「なんでこんなこともできないの?」と、抑うつ気味になってしまう子もいます。
出来ていることより、出来ないことを重視してしまう傾向があります。
●ギフテッドの激しさ
・興味のあることには異常な集中力がある、食べること寝ることを忘れて熱中する
・興奮すると、しゃべり続ける、動き回る、落ち着きがない
・完璧主義で、自分自身に高い水準を求めてしまう
・世の中や他の人も完璧であってほしいと思う
・感覚の敏感さがあり、様々なことに敏感に反応する
上記のような激しさがあるため、普通に生活していくことが大変に感じることがあります。
またはADHDなどの発達障害と勘違いをされることもあります。
また、学校で適応するために頑張っていて、家ではその反動で幼稚になったり癇癪が激しくなったりする場合もあると思います。我が家がそうでした。
ギフテッドの親が感じること
親は、<この子はこんな才能があるんだ!こんなことが出来るんだ!>という「楽しみ」「喜び」だけでなく、「不安」「孤独」「混乱」を感じやすいです。
<不安>
育児書に書いてある通りの発達ではないため、「心配、不安」になります。
発達が早すぎるため、「生き急いでる?」「老化が早いのではないか?」と心配しました。
または、この子の才能を受け止め、伸ばしていけるのだろうか・・・と不安を感じる場合もあると思います。
<孤独>
何より、周囲の理解が得にくいです。
●他の子より出来ることが多く、集団生活の中で<問題>とみなされない
我が家の場合、外では、完璧にこなす傾向がありました💦
ママ友達や幼稚園の先生に家での困りごとを相談しても、「何も問題がない」と言われてしまう。
家で癇癪が激しい、喜怒哀楽が激しいのは、「親の愛情の問題」「対応の問題」と言われる(*_*)。
「ちがーう!!」と心の中で思って、相談しなくなりました・・・。
(→自分が専門家なのに、相談するなって感じですが💦藁にもすがる思いで(^^;))
ただでさえ大変なのに、自分の育て方が悪いと言われるなんて、、、つらすぎます~(T_T)!!
これは発達障害のお子さんを抱える方にも共通することかもしれませんね。
●子育ての話を周囲と共有しにくいことも悩みでした。
・自慢しているように聞こえるかもしれない・・・と本当のことが言えない。
・親ばかで、自分の子を過大に評価しているのかもしれない・・・と恐れがある。
・発達の仕方や困りごとが周囲とは違う、そのことを率直に言うことをためらってしまう。
誰も、わかってくれない・・・孤独を感じます。
<混乱>
理解力は高いのに、とても幼いところがあるという発達の非同期発達のために、子どもの姿がとらえにくい。
この子は、発達障害じゃないのか?疑いが起きてくる。
何かがおかしい!!けれど、何にも当てはまらない・・・いったい何なの?という気持ち。
ギフテッドの子の激しさに翻弄されてしまう。どう対応してよいかわからない。
親は常に、ギフテッドの子どもに振り回されてしまう。
彼らは非常にエネルギッシュで、彼ら自身が混乱している。
普通の子どもと同じように生活をすることに困難があるのです。
ギフテッドを育てるときに大切なこと
ギフテッドを育てるときに、その能力を十分伸ばし、好奇心を満たす環境を与えることは大切です。
ただ、
知的な環境を用意するのと、同じくらい、親子の情緒的な結びつき、家庭での安心感が必要だと感じています。
繊細、完璧主義、興奮しやすい、周囲となじめない、疎外感を感じている、、、など困難が多いギフテッドにとって、家庭で安心して気持ちが表現できる、受け止めてもらえることが、何よりの支えになります。
安心感があって、外の世界、集団生活の中で、やっていけるようになります。
家庭では、今日の出来事、その子の気持ち、思ったことを自由に話せるようにしてあげてください。
そして、それを一緒に面白がったり、あたたかな雰囲気で受け止めたり、大丈夫だよ、と励ましたり、してあげてください。
そのような親子関係の中で、ギフテッドの子どもが「自分」を大切な存在だと感じ、社会や集団生活の中でバランスを取って生活していく方法が見つかるのだと思います。
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